一流ピアニストの超人的コミュニケーション能力

このブログはヴィオラに焦点にあてて色々な記事を書いていますが、今日はピアノの話です。

僕は5歳の頃からピアノをやっているので、ヴィオラよりも経験年数が長い!

最近オーケストラに時間を割いていて、あまり練習できていないのですが、とても愛着のある楽器なので、書きたいと思います。

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ピアノとその他の楽器の違い

ピアノ以外の楽器について

弦楽器や管楽器、打楽器の一部は基本的に、

普段練習している楽器本番に演奏する楽器同じです。

ですから、いつもと同じように弾くこと・吹くことができれば、楽器からはほぼ同じような反応を得ることができます

弦楽器では指板の場所と音程の関係が楽器によって異なりますし、音色のコントロールは楽器によってやり方が全く違います。

もし、本番前に楽器が故障をして本番だけ違う楽器を使うことになったら、それはもう、一大事です。

楽器が違うだけで弾き方や吹き方が違うわけですから、演奏表現だけでなくその楽器の特徴をつかむことにも集中しなければなりません。

これは大変な労力です。

別の楽器で最高のパフォーマンスを出すのはとても難しいと思います。

ピアノの場合

ピアノが他の楽器と違うのは

練習に使う楽器と本番に使う楽器が違う

ということに尽きます。

ピアノは成人男性4人分の重さがありますし、そもそも運ぶには大きすぎます。

自分の楽器を本番の会場に持っていくことなど、不可能に近いです。

引っ越しの時、旧居から新居にグランドピアノを移動するとなったら、1日がかりの大仕事です。

旧居のピアノを分解して、傷がつかないように包装保護して外に出すのですが。これだけで相当な時間がかかりますし、専門の業者さんじゃないとできません。

そのあと、トラックで運んで新居についたら、今度は逆にピアノを家に入れて組み立てます。

これももちろん相当な時間がかかります。

だから1日がかりの仕事。

本番の会場に慣れ親しんだ自分のピアノを持ち込むことはほぼないのです。

コンクールではリハーサルすら出来ない

普通、ピアノのコンクールは色々な部門を朝から晩までやっている関係上、本番の舞台のピアノを触らせてくれません。

ですから本番一発勝負

もちろんピアノによって、鍵盤の重さ、音の飛び方、そしてペダルの効き方、等々、全部違います。

だからピアノ奏者にとって、一番怖いのは一音目

自分のイメージした音が出てくれるのか本当に分かりません

練習した通りにやっても楽器が違えば音も違います

だから本当に怖い。

僕もコンクールで1音目が上手くいかず、メンタルが崩れて失敗したことがありました。

今でも泣きたくなります。

一方、発表会とかもっとカジュアルなものなら、一回リハーサルができるので少しは気が楽です。

でも一回きりなのです。一回きり。頑張って頼んで頼んで二回。

実際これだけで特徴をつかめたらプロ級でしょう。

ピアノ奏者はピアノとのコミュニケーション能力が大事

初対面の人とお話しするとき、どうするのが良いでしょう。

まずは、その人がどんな人なのか事前に誰かにきいたり、その人が話している様子を観察したり、その人の服装や顔や姿勢を見るなど、情報を集めるのが良いでしょう。

そして初めて話しかける。そうすると上手く行くことが多いのは、多くの人が経験敵的に感じているはずです。

ピアノも全く同じです。

コンクールの前は必ず、そのピアノを弾いたことがある人の話を聞きますし、他の人の演奏で音響を確認します。

ピアノの形、メーカー、鍵盤の色、ペダルの重さ(ピアニストは弾き始める前に必ずペダルをワンプッシュしている)、弦の様子など、そこから得られた「勘」も結構大事です(笑)

これは初対面の人とのコミュニケーションと全く一緒!

ピアノ奏者は昔からピアノとのコミュニケーション方法を叩き込まれていると言っても過言ではないでしょう。

一流のピアニストのすごさ

一流のサッカー選手はアウェーでもピッチの状態を5分で読み取り、最高のプレーをします。

一流のピアニストも同じ。

一流のピアニストは、どんなピアノであっても、すこし弾くだけでたちまちにその楽器の特性を理解し、その魅力を最大限引き出してしまいます。

これは本当にすごいことです。

一流のピアニストは楽器とのコミュニケーションに長けているのです。

だから、僕は彼ら一流ピアニストのコミュニケーションは超人的だと断言したくなるのです。

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