これに関してはいろいろな説があって、私にとってはどの情報も信用することができないため、自分を実験台に検証した。
つまり、この記事は実験レポートである。
一番最初にお断りしておきたいことは、以下の内容はあくまでも「レポート」であり「論文」ではない。
そもそも実験個体が私一人のみなので、結果が普遍性を持つとは断言できないのである。
それをご承知の上、読んでいただければ幸いである。
実験目的
音楽を聴くと作業能率にどのような影響が出るかを検証する。
実験材料
今回は「作業能率」を「100ます計算のタイム」に置き換え、数値的に処理することにした。
(ちなみにこのサイトのものを利用した→http://www.19online.net/10x10table/)
100ます計算時の数値入力はノートパソコンのキーボードを使用した。
また、音楽はベートーヴェンの交響曲第九番一楽章冒頭を使用した。
(音源はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=KIUlUSWfILU)
音楽を聴く際にはウォークマンのイヤホンを使用した。(ウォークマン派です!!!)
実験方法
1.音楽を聴かない場合
実験条件を同じにするためにイヤホンは耳につけたまま100ます計算を行う。
今回はホワイトノイズを使用しなかった。
2.音楽を聴く場合
一楽章の冒頭が始まった瞬間に100ます計算を開始した。
これは11回の実験すべてに同じ操作を適用した。
上記の方法で、音楽を聴く→聴かない→聴かない→聴く→聴く→聴かない・・・
といったように、学習や疲労がタイムに与える影響を極力排除し、アプリで表示されたタイムを記録した。
一応ミスの数も記録しておいた。
あとは、「なぜ自分はこんなことをやっているのだろう?」という避けられない葛藤と戦いながら、黙々とデータを集めていった。
結果
結果を示す素データは以下のとおりである。
ここで、1回目のタイムは、アプリの操作に慣れていなかった影響が大きいため排除し、残りの10回分のデータを解析することにする。
もし解析をしても十分な結果が得られなかったら、私の1時間にも及ぶ実験時間は水泡に帰する。
試験勉強そっちのけで実験しているのであって、結果が出なければ、この一連の実験は試験勉強からの単純な逃避に過ぎないことになる。
しかし、一見両者のデータに差があるように見えても、実は統計学的には全く意味が無かったりするのである。
科学というのは残酷である。
それでは統計結果を示そう。
統計処理した結果
音楽を聴く場合 ・・・ 123.6 秒
音楽を聴かない場合・・・ 115.7 秒
聴かない方がタイムが短い。
これは音楽を聴くと集中力が落ちるのでは?
そんな雰囲気である。
ここで不偏分散から標準誤差を求め、さらにF検定、T検定を経て、グラフにすると以下のようになる。(データは強く正規分布だと決めつけた)
結果としてp<0.02ですから、両者の差が偶然である確率は2%以下ということになる。
これは十分有意な差として考えてよいだろう。
考察
統計学的にも、音楽を聴きながら100ます計算をするとタイムが落ちることが(自分の場合)証明された。
これは音楽を聴くと(私の)作業能率が落ちることと十分に結び付くだろう。
100ます計算は単純作業であるが、これよりも複雑な勉強を音楽を聴きながら行うと能率が落ちることも示唆される。
そして何よりもこの実験は無駄ではなかった。